中国で邦人の死刑を執行|薬物密輸と死刑の問題中国で、すでに刑が確定していた日本人男性に対して、6月下旬に死刑が執行されたと発表されました。
薬物の売買や密輸罪に対しても、最高刑を死刑と定めている中国では、年間数千人に対して死刑が執行されているといわれますが、そのなかには、薬物取引や密輸に関わった外国人も含まれています。
2010年4月、4人の日本人男性に対する死刑が執行されて以来、これで6人目となりますが、いずれも、覚せい剤の売買や密輸に関わったとして死刑を宣告されていた日本人です。
<ニュースから>*****
●中国、日本人1人の死刑執行 広東省の覚せい剤事件
【広州、北京共同】中国広東省で覚せい剤約3キロを売買したとして死刑が確定していた60代の日本人男性に対し、先月23日に刑が執行された。関係筋が17日明らかにした。
中国での日本人への死刑執行は昨年7月以来で、1972年の日中国交正常化後で6人目。男性は2010年7月、ほかの日本人2人と共に広東省珠海市のホテルで中国人の男と取引中に拘束され、現場で約3キロの覚せい剤が押収されていた。
中国刑法では50グラム以上の覚せい剤密輸は最高刑で死刑。中国で薬物の密輸や販売に絡む容疑で拘束されたり服役したりしている日本人は今回の男性を除いて43人。
47News【共同通信】2015/07/17 12:57
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逮捕時の過去記事が当サイト内にありますが、当時の報道によれば、この男性が逮捕されたのは2010年7月のこと。香港島に近い広東省珠海市のホテルで、日本人男性3人が逮捕されたと伝えられました(下記の過去記事を参照)。
この男性の場合は、2013年4月に刑が確定したということで、逮捕からほぼ5年で、死刑が執行されたことになります。
2審制の中国では、たとえ死刑が求刑されるような事案でも、概して裁判の進行は早く、しかも死刑確定から間もなく執行されることが多いといいますが、外国人の場合には、確定から執行まで、ある程度の時間がおかれているようです。
<中国での日本人に対する死刑執行>
■2014年7月25日執行 50歳代日本人男性
大連から覚せい剤数キロを日本に密輸しようとしたとして起訴。2012年12月に死刑判決が下され、2013年8月に上訴が棄却され刑が確定。
■2010年4月9日執行 60歳代日本人男性
2003年6月に、約5キログラムの覚醒剤を日本人5人に指示し日本に密輸しようとしたとして麻薬密輸罪で起訴され、2007年1月に死刑が確定。
■2010年4月9日執行 60歳代日本人男性
2003年7月、覚せい剤1.25キログラムを隠して、瀋陽の国際空港で航空機に搭乗しようとして拘束された。麻薬密輸罪で起訴され、2004年2月、一審で死刑判決、2007年10月に死刑が確定。
■2010年4月9日執行 40歳代日本人男性
2003年7月、大連の空港で覚せい剤約1.5キログラムを所持して拘束された。2006年12月に麻薬密輸罪で死刑が確定。
■2010年4月6日執行 60歳代日本人男性
2006年9月、遼寧省大連の空港から日本へ覚せい剤約2・5キロを密輸しようとして逮捕された。2008年6月、1審で死刑判決を受け、2009年、同省の高級人民法院(高裁)で控訴が棄却され、判決が確定。
NHKニュースによると、中国国内で麻薬犯罪に絡んで身柄を拘束されている日本人は、今回、刑を執行された死刑囚を除いて少なくとも43人いて、このうち1人は死刑判決が、5人は執行猶予つきの死刑判決が確定しているとのことです。
この人たちに対して、そして日本で案じているその家族に対して、日本の領事館はどんな支援をしてくれているのでしょうか。
ヨーロッパ諸国やオーストラリアなど、すでに死刑制度を廃止した国では、中国で行われている大量の死刑執行に抗議し、中国内で自国民が死刑判決を受けたり、執行が迫った際には、その救出に向けて官民各レベルで様々な行動がとられてきました。
いっぽう日本は、死刑制度を維持し、しかも自国内に少なからぬ中国人受刑者を抱え、中国人の死刑確定者もあるはずです。
こうした立場にあるせいか、これまで、日本では、外国で死刑に直面している日本人の存在について、世論が大きく盛り上がったことはありません。
でも、少なくとも日本では、薬物犯罪者に対して死刑を科すことは行われていません。
これまでに中国で死刑が執行された日本人のケースは、いずれも、中国から日本へ覚せい剤を密輸する企ての途上で逮捕された人たちで、なかには、密輸組織と直接の関係がなく、運び屋として雇われたと思われる人もあります。発見された覚せい剤の量は1キロ台から数キロまで。
もしも、このケースが中国内で発覚することなく、日本の税関で摘発されたとすれば、5年から10年以内の懲役刑が言い渡されたことでしょう。
こうした犯罪に対して死刑を科し、しかも例外なく、すみやかに執行する中国の制度は、人権を軽視したものであり、改めるべきだと私は信じています。
ちなみに「パタリロ」に出て来るバンコランの麻薬に対する憎悪は半端ない物がありまして、その種の犯罪を摘発されても、まさか死刑にはならないだろうと高をくくっていた人間に対して、容赦なくその場での処刑を行う場面がありました。それ自体は、あらかじめ殺人許可証と言う物を持っていたから行い得た訳ですが、麻薬の悪しき影響と言う物を考えれば、中国ならずとも、厳罰にする事は当然でしょう。まあ、末端の現場にそうした厄介事を押し付けているのに過ぎないとしたら、それはそれで問題ですけどね。
それにしても、我が国の刑罰自体が世界的にも甘い所があるのですよ。なんと言っても、刑務所における外国人の収監者のウェイトの多さと言う物には辟易させられます。あまつさえ、そうした外国人の習慣に応じたムショ生活に配慮させるようでして、激甘としか言いようがありません。
外国人にとっては日本でのムショ暮らしも観光旅行の範疇に入っているのでは。だから、連中のムショ暮らしで配慮があるのであれば、刑罰自身も日本人とは別の物を用意する事も必要なのではないかと思います。
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