【武藤 正敏】文在寅が「慰安婦問題」で大博打へ…!日本からの「報復ブーメラン」で、いよいよ万事休すか追い詰められた文在寅
韓国大統領の文在寅氏が日韓関係修復に乗り出した。その発端が昨年の国家情報院長訪日と韓日議連会長訪日時に関係改善の意思を伝えてきたことである。
その意思をさらに明確に示したのが、1月18日の年頭記者会見における慰安婦問題判決に関する判決に「困惑している」とする一連のコメントである。
文在寅は「困惑している」 photo/gettyimages
文在寅氏が日韓関係改善の意向を固める最大の要因となったのが、バイデン氏の大統領当選とこれに続く新政権の成立である。バイデン氏への政権移行が進む中、明らかになったことは、バイデン氏はトランプ氏と異なり、非核化への展望なく金正恩氏とのトップ会談に応じることは考え難く、これを支えるスタッフは実務経験を積んで北朝鮮に対しては厳しい見方を持っているということである。
そうした中で文在寅氏は、短期間に朝鮮半島問題で成果を出すには米国の要求に応じ、米国と協力する姿勢を取るほかないとの状況認識を持つに至ったのであろう。
米国はアジア外交で最も重視する中国封鎖戦略にあたって日米韓の連携強化が必要と考えている。そのため文在寅氏としては、日本との関係修復は不可欠と考えたのであろう。米国のこうした戦略に乗り、米韓関係を強化する中で米朝関係にも取り組んでもらおうとしているのである。
文在寅に正義連を捨てる「覚悟」はあるのか
文在寅大統領は1月21日、自らが主宰した安全保障会議(NSC)で「朝鮮半島を含めたインド太平洋地域の秩序が急激な転換期に入りつつある」と述べた。米中に対して中立的な姿勢で臨んできたこれまでの姿勢の転換を示唆しているのかも知れない。
文在寅氏が日韓関係改善のシグナルを送っても、日本政府の姿勢は冷ややかである。文在寅氏はそれでも日本と慰安婦問題を外交的に解決しようとするであろう。ただ、その最大の障害が正義連・挺対協であることをいまだ認識していない。
これまで慰安婦問題解決の最大の妨げとなってきたのが正義連・挺対協である。文在寅氏が日本と妥協を図ろうとしても抵抗し、再び妨害するであろう。正義連・挺対協と手を切る覚悟ができた時に、問題の外交的解決の道も見えてくるであろう。
文在寅氏は1月18日の年頭記者会見で、慰安婦問題の判決に対して「正直困惑している」と述べ、2015年の合意についても政府間の公式合意であったことを認めて「(合意を土台にして)おばあさんたちも同意できる解決方法を探していけるよう韓日間で協議している」と述べた。
この発言は、文在寅氏の側から見れば、同合意を「真実と正義の原則に背き、内容と手続きも共に誤り」としていた見解からの大転換であり、韓国側の大幅な譲歩に応え、日本側も歩み寄ってほしいと考えていたのではないだろうか。
しかし、日本側は従来の姿勢を変えなかった。
日本からの「報復」
日本側は文在寅氏が2015年の合意を公式合意としたことは一歩前進と評価しつつも「問題解決に向けた具体策は示さなかった」「解決案を注視する」といった従来の主張を繰り返し、「具体的行動がなければ日韓関係の改善はない」と強調した。
日本の茂木外相は1月23日、慰安婦判決が確定した時点で「外務大臣談話」を発表して、「国際法上、国家主権を有し、互いに対等な存在であることから、原則として、外国の裁判権に服することはない」「(この判決は)極めて遺憾であり、断じて受け入れることはない。韓国に対し、国家として自らの責任で直ちに国際法違反の状態を是正するために適切な措置を講ずることを改めて求める」との日本政府の立場を明らかにした。
そのため韓国政府は、1月23日さらに一歩進んで「政府レベルでは日本に追加請求しない方針」と表明した。
その一方で日本に対しては、外交的論争が避けられない法的賠償の代わりに「自ら表明した責任痛感と謝罪反省の精神に立脚して被害者らの名誉・尊厳回復と心の傷の治癒に向けた真の努力を見せるべきだろう」と要請した。
日本政府がこの判決に基づき、元慰安婦に「賠償金」を支払うことはあり得ず、韓国が日本政府の資産を強制執行すれば、それ相応の報復をするはずである。韓国政府が「日本に追加請求しない」とするのは当然のことである。
中央日報に書かれた「問題の核心」
韓国政府が日本に改めて「謝罪や反省を求める」とする点についても、謝罪や反省はすでに何度も行ってきていることである。ただ、それが元慰安婦の人々に正確に伝わっていないのは、正義連・挺対協が間に入り、これを否定してきたからである。それを改めて日本側に求めてくるのは筋違いだろう。
中央日報は、アンチフェミニストとして『フェミニズムはどのようにして怪物になったのか』という本の共著者であるオ・セラビ氏(女性)のインタビュー記事を掲載している。
この本では、政治権力と結託したフェミニズムを批判している。具体的には、「586運動圏(現在50代、80年代の民主化運動にかかわった、60年代生まれの世代)権力と女性団体運動は出発が同じだ。上層部の女性運動家のほとんどが『韓国女性団体連合』から活動を始めた。これは民主化運動がはじまった87年だ。今までこの団体出身の首相、閣僚、国会議員が11人いる」という。
そして、「エリート女性運動家は大きな志を抱いて活動する一般の女性運動家と女性たちを道具として使い、名声を築いた。彼らを政治権力を得るためのルートとして利用する」と批判している。
さらにインタビューでは「韓国女性運動と、正義連・挺対協の運動は同じ幹だ」とし、「正義連は慰安婦問題が本当に解決したら、正義連の存在価値は消えるから、慰安婦問題を本当に解決するつもりがあるのか疑問を感じるのだ。慰安婦問題を一日でも早く解決するためには、正義連のような市民団体に任せるのではなく、最初から最後まで政府が直接責任を取ってやらなくてはならない」と痛烈に語っている。
このオさんの発言は、まさに問題の核心をついている。慰安婦問題はこれまで何度も解決する機会があったが、これをことごとく妨害してきたのが、正義連とその前身である挺対協なのである。
日韓合意を「妨害」する人たち
日韓の最初の取り組みは、日本側が設立した「アジア女性基金」を通じた解決であった。
7人の韓国人元慰安婦が同基金からのおカネを受け取ると、当時の挺対協のトップは「アジア女性基金からおカネをもらう人は、自ら進んで出かけた娼婦であることを認めるのと同様だ」と元慰安婦を最も傷つける言葉でののしった。
しかし、後でわかったことは、アジア女性基金の代わりに韓国政府からおカネを受け取った人のうち54人がアジア女性基金からもおカネを受け取っていたということである。当時の挺対協が邪魔しなければ、より多くの元慰安婦がアジア女性基金からおカネと総理の謝罪を記した書簡を受け取り、この問題は解決していたということである。
2015年の慰安婦合意の際には、当時韓国政府が設立した和解・癒し財団の理事長がすべての元慰安婦にこの合意を説明し、理解を求めたところ、当時存命であった、46人の元慰安婦のうち36人(78%)が受け入れに同意した。しかし、挺対協の反対を受け、文在寅氏は国民的理解が得られないと同財団を解散させてしまった。
その正義連・挺対協がこれまで何をしてきたかというと、元慰安婦のための寄付金や政府補助金の一部しか元慰安婦のためには使わず、その多くを私的にあるいはその他不適切な形で使ってきたことが、元慰安婦李容洙(イ・ヨンス)氏の告発で明らかになった。ここから明らかなことは、正義連としても寄付金を集め続けるため、慰安婦運動の存続を望んでいたということである。
それでも文在寅政権は、「慰安婦問題の大義を失うことがあってはいけない」と正義連を庇っている。正義連の尹美香(ユ・ミヒャン)前理事長は国会議員を続け、最近では、コロナ禍にもかかわらず、元慰安婦の誕生日を口実にワインパーティを行うなど反省の色を見せていない。
文在寅の「卑屈」な姿勢
正義連は、1月18日に文在寅大統領が記者会見で2015年の日韓合意が公式合意であったことを認めた際にも、理事長が「日本政府に卑屈に移るほど守勢的に対応したり完全な沈黙で一貫したりする理由は何か」と失望感を表明した。
文在寅政権のむしろ正義連に対する「卑屈」な姿勢を見ると、文氏の日韓関係改善の努力はまたしても正義連の妨害を受けるのではないだろうか。
慰安婦問題を解決したければ、このような正義連とはたもとを分かち、正義連の着服し、横領した金銭を回収して元慰安婦の人々が安らかな老後を送れるような環境を整備することである。正義連のいうことを聞いていてはいつまでたっても堂々巡りである。
韓国政府が関係の改善の姿勢を示しても、日本として原則を守る以外ない。韓国内に請求権協定に対する不満があろうとも、慰安婦合意に対し正義連が反対しようとも、それを無効にし、再度交渉するなどということはできない。
また、日本がこれまで歴史問題で再三、謝罪と反省の意を表明してきたことも事実である。正義連がこれを認めず、これは真の謝罪ではないというのは言いがかりである。日本が改めて謝罪することはこの原則に背くことになる。
今後日本ができることと言えば、これまで日本政府として誠意をもって反省し、謝罪してきたことを再度確認することであろう。それは正義連が言ってきたことが真実でないことを明らかにすることになるが、それによって元慰安婦が日本政府の反省と謝罪を受け入れることになれば意味がある。
わたくしは大使時代、必要であれば、自分が一人一人の元慰安婦にあってこれを伝えてもいいと考えていた。その機会はなかったが、元慰安婦の人々に日本政府の思いを正確に伝えるためには大使が出ていくのは良いのではないかと今でも考えている。
引用記事の中には、韓国が大幅な譲歩をした、という記述がありますが、連中の意識からすれば、そのつもりなのでしょう。しかし、元々が常識外れな過大な要求をしてきたのでして、譲歩と言うのは、その過大な要求の値を低くしたと言う程度の事でして、依然として要求をしている側に立っているとしか言いようがありません。依然として連中はわが国に対して莫大な「借金」があるのでして、それをいまだ返済する段階に入っていない。そんな状態でどうして譲歩などと言えましょうか。
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