タワマンに住んでよかった…居住歴16年の不動産鑑定士、タワマン否定派に余裕の反論いつかは住んでみたいと憧れる人も多いタワーマンションですが、災害時の設備不良や住民間の「階層マウント」などの問題を指摘する人も少なくありません。しかし、不動産鑑定士として活躍する三浦雅文氏は、「さまざまなマンションに住んでみたが、タワマンは住みやすい」といいます。都内タワマン暮らしの実態を「居住者の目線」でみていきましょう。
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タワーマンションの定義…「階数」は関係ないタワマンに暮らして16年。タワーマンションや超高層マンションを「タワマン」と普通に使うようになりました。
「タワー」の定義は、建築基準法からきていて、建物の「高さ60m(※)を超える建築物」がタワー(超高層)になります。何階建かは記載されていません。
マンションの各階の高さは3m前後なので、20階建ですと3m×20階=60mになります。20階以上のマンションがタワマンの目安です。
※高さ60mの基準は建築基準法上、地盤面からの高さです。たとえば、傾斜地にあるマンションの場合は、建物全体が20階建であっても建築基準法上は地下3階地上17階と表示されることもあるので、階数はあくまでひとつの目安です。
「タワマン」と「普通のマンション」の違い13階建のマンションからタワマンに住み替えて感じる「メリットとデメリット」を一般論と比べてみます。
あくまで、筆者がいま住んでいるタワマン(高層階・山手線最寄り駅から徒歩4分、地下鉄路線併用可)との比較ですし、主観も入っていますので、その点についてあらかじめご了承ください。
■一般論のメリット・眺望がよい
・共用施設や周辺施設が充実している
・セキュリティが高い(防犯・防災)
・耐震に強い
・ゴミ出しがいつでもできる
・日あたりが選べる
・高層階は虫の心配がない
・ステータスを感じる
■一般論のデメリット・エレベーターが混む
・洗濯物をベランダに干せない
・地震の時が心配
・管理費や修繕費が割高
・住民意識に差が出る
タワマンといえば眺望…「1週間で飽きる」ことはない視界を遮るものがない魅力は大きいです。「眺望は1週間もしたら飽きる」といわれますが、いつでも眺望が確保されていることの安心感に変わりはありません。
当然、それぞれの地域に都市計画法などの法令制限があります。都心部では、高さが30m程度の建物が建ち並ぶ街並みが多いので、ザックリ、タワマンでは11階(30m÷3m=10階)程度から上の階では視界が開けるといえそうです。
よって、20階建なら半分、30階建なら3分の2といように、階数が多いほど眺望のよい住戸が多くなります。
もちろん、住戸の位置によっては視界の範囲が変わりますし、タワマンが林立する大規模開発では、目の前にタワマンがあったりしますので、実際に自分の目で見て確かめることが大切です。
「ウーバーイーツで嫌われる」ほどのセキュリティ
セキュリティ(防犯や防災)が高い居住者でも入館用のカギを忘れると大変です。管理室や警備室で身分の提示を求められますし、宅配便などの外部者の入館は記帳を求められます。
ちなみに、ウーバーイーツで嫌われる施設のひとつがタワマンで、その理由は1軒だけ配達するのにセキュリティを通過する時間がかり、効率が悪いからだそうです。
タワマンの構造には制振、耐震、免震の種類があり、地震に強いといえます。ただし、3.11のような強い地震では、長周期振動で高層階は大きくユックリ揺れます。体験したことのない恐怖感ですし、逃げ場がないことへの不安感を伴います。
滅多に起こることではありませんが、火災や大きな地震の際はエレベーターが停止することもあります。高層階から非常階段を利用するには体力が必要ですし、また、車いすやタンカは非常階段での使用はできないと想定しておきましょう。
共用施設、周辺施設が充実しているまず、コンシェルジュ、応接用のラウンジ、飲食と夜景が楽しめるスカイラウンジ、ゲストルーム、ミーティングルームなど共用施設が充実しているタワマンが多いと思います。
共用施設の充実度はタワマンの大きなメリットのひとつです。なかには「あったらいいよね」の販売戦略で設置された施設もあります。利用者が少なくムダなスペースとなっている施設の費用対効果は低いと思います。
また、使いやすくするために用途を変更しようとすると、「一部の利用者のために高額な改修費を使うのはどうか」と必ず反対が出ますので、簡単に変更はできません。
次に、周辺施設では鉄道駅、スーパー、医療や教育施設など、それぞれ住む世代に合った施設が、徒歩圏内にあることはたいへん便利です。
また、区内を巡回する路線バスを運行している区も多く、鉄道路線とは別なルートを通りますので、意外に便利です。
住んでいる階層によって「住民意識」に違いが生まれる
無意識にエレベーターの行先ボタンに目がいってしまうこともタワマンは上層階と下層階に大きく2つに分けられます。2018年のテレビドラマでタワマンが話題になり、「ボスママ」という言葉が印象的でした。
ドラマは極端ですが、階層の違いが住民の意識の違いを生み出しやすい傾向は確かにあります。
特に、エレベーターが高層階と低層階に分かれている場合は顕著になりがちです。相乗りの際、無意識にエレベーターの行先ボタンに目がいってしまうこともあります。
当然、階層の違いや自ら住むか投資用かによって、意見の違いが出ます。例えば、理事会や総会で管理組合の意思決定を行うときです。
そのため、理事会で意思決定する際は「一部の居住者のためか、全体のためか」の判断を常に求められます。理事会には「住民の合意形成」という見えない苦労があります。
ゴミ出し、洗濯物、日あたり、虫…タワマン検討時の「細かな」ポイントゴミ出しについては、各階に専用のダストガレージがあり、24時間365日いつでもゴミを出せるのは便利です。
タワマンに住む前は、自治体のゴミ出し日に合わせて、天気を気にしながら1階のゴミ置き場に出していました。その苦労から解放されるメリットは毎日のことなので大きいと感じます。ただし、当然その分管理費に反映されています。
洗濯物については、組合規則で、ベランダで洗濯物やふとんを干したり、植栽などのモノを置いたりすることを禁止しているタワマンは多いと思います。
これは、強風でモノが落下した際、地上の人や車に危害をおよぼすからです。高所からの落下物は凶器です。親子喧嘩して、ベランダに締め出された幼児が、おもちゃを外へ投げ捨て問題になったことがありました。
また、ベランダの代わりに浴室乾燥機を利用しますので、日光で洗濯物を干すことに清潔感を感じる人にタワマンはお勧めできません。
日あたりは、リビングやベランダが南向きの住戸が必ずしもよいとは感じません。建物の構造が鉄筋コンクリート造なので、夏は直射日光で外壁が温められ室温が30度を軽く超えてしまいます。冬でも日中は半袖生活です。冷房代と暖房代どちらを負担するか、好みの問題です。
また、冬至をはさんで太陽の位置が低くなり、ベランダから室内に直射日光が入る構造なので、意外と眩しく、カーテンを閉めることもあります。筆者がもし次に住む時は、東向き、西向きの方位を選ぶでしょう。
虫については、高層階でも蚊やハエが風に飛ばされてくることもありますが、ゴキブリは壁をつたって上がってきます。
そのほか、高層階は風が強いという指摘もありますが、これは実感がありません。方位による違いもあるのでしょう。
ただ、ハトのエサやり場がマンションの近くにあったりすると、高層階や屋上がハトの待機場所になったり、住み着いたりして、糞や羽の害を発生させます。
加えて、近くで老朽化した建物を取り壊している場合は、ネズミが逃げ出しているので、無防備な地下駐車場への出入口では気を付ける必要があります。
これまでいろいろな住居に住んできましたが、高層階の眺望を除いても、タワマンに住むメリットは大きく、住みやすいと感じています。
三浦 雅文
不動産鑑定士
自分も広い意味での否定派と言う事になるのでしょう。タワマンわ含め高層住宅相手の配達を言えば大いに迷惑物件でして、そう言う視点からすれば決してあって欲しくない代物であります。それを別とするのならば、どんなに否定しても所詮は持たない物のひがみにしか見えないでしょうから、それ以上は控えます。逆に少なくとも、一旦購入した人にとっては肯定派に徹するべきでしょうな。実際に自ら購入した側にしてみれば、後悔するような事態になる事は惨めと言う物でして、せいぜいこの点が良いと注目して、タワマン暮らしを満喫してもらいたいですな。
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