タツノコプロ代表作『ガッチャマン』の最終回 地球を救った者を「誰も知らない」という結末
悲しき物語で「コンドルのジョー」は伝説に 日本のテレビ黎明期からアニメ界をリードする「タツノコプロ」が今年10月に創立60周年を迎えました。代表作には『科学忍者隊ガッチャマン』(1972~74年 平均視聴率21%)があります。なかでも、第105話「地球消滅! 0002」は最終回にして最高作との声も高いエピソードです。ただし、これは第103話「死を賭けたG-2号」、104話「魔のブラックホール大作戦」から続くエピソードで、最終話は3話に連なる物語として描かれています。
まず、最終話につながる103、104話のあらすじを簡単にまとめます。世界各国で地震、火山爆発、津波が発生し人びとは大混乱していました。これはギャラクターが企てた「ブラックホール作戦」の影響によるもの。それは、巨大な分子爆弾を地球の中心部まで潜らせ、最後にミサイルを打ち込んで地球を消滅させようという恐ろしい計画でした。
科学忍者隊のG-2号・コンドルのジョーは強烈なめまいや頭痛に苦しんでいました。これは以前(第20話)の戦闘で受けた爆弾の破片が脳内部に残った影響による症状で、しかも「余命は長くても10日」と知ってしまいます。死を覚悟したジョーは、山奥深い場所にあるギャラクター本部へ1人で乗り込みますが、捕らわれて人質に。アイテムのブレスレットを破壊され、変身もできなくなります。
ケンの決断 あなたならどうする?
大鷲のケン、白鳥のジュンとともに、コンドルのジョーが描かれる「科学忍者隊ガッチャマン」Blu-ray BOX(ポニーキャニオン)
そして最終回「地球消滅! 0002」では、捕らわれたジョーとギャラクターの首領ベルク・カッツェが格闘を繰り広げますが、ジョーはめまいでピンチに。倒れ際、持っていた白い羽手裏剣をカッツェ向けて放ちますがそれもかわされます。投げたその羽は壁に当たって機械の隙間に入り込んで行きました。
戦闘員を振り切り、なんとか基地の外へ出たジョー。そこへ大鷲のケン、白鳥のジュン、燕の甚平、みみずくの竜……仲間4人のガッチャマンが駆けつけます。ようやく5人そろいましたが、ジョーには立ち上がる力さえ残っていませんでした。横たわるジョーが4人に最後の言葉をかけ涙……。「ジョーを連れて帰ろう」と皆が声を上げるなか、ケンはジョーを悟ったのでしょう。
ケン「科学忍者隊リーダーとしての命令だ。コンドルのジョーはここに残し、全員、ギャラクター本部に突入する」
一同「えぇっ!?」
ケン「ジョー、許してくれ。死ぬときはともにと誓ってきた俺たちが、今、お前を見捨てて行かねばならない」
……そう、事態は一刻を争います。ガッチャマンの任務は地球を救うこと。ケンは「俺の心だと思ってくれ」と大事な武器のブーメランをジョーに握らせるのでした。
ギャラクターの心臓部へ突入する4人はついにベルク・カッツェと対決。「ブラックホール作戦を中止しろ」と叫ぶと、総裁Xの声が響きます。「あと30分で地球は消える!」。
ここでベルク・カッツェが取り乱しました。カッツェは地球を自分にくれると約束したはずだと訴えます。しかし総裁Xは「くれてやる、粉々になり、宇宙のチリとなった地球をな!」。そう言い放つと黄金色に輝く鉛筆型の宇宙船で飛び去ってゆくのでした。だまされたカッツェ、彼は総裁Xの計画のためにミュータントにされたわけです。「こんな結末を迎えるなら、人間のままでいたかった!」嘆きながらマグマのなかへ落ちて行くカッツェ。
敵は消えました。しかし、あと30分で地球の核にミサイルが発射され人類は滅亡します。4人はミサイル発射装置を止めようと試みますが止められません。「死ぬなら、ここでみんなと一緒に死にましょう!」ジュンが涙を流しケンと抱き合い覚悟を決めます。そのとき機械の内部で異変が起きていました。
歯車に何かが挟まっている、それはジョーがカッツェに向けて投げた羽手裏剣でした。羽手裏剣が歯車のかみ合わせを悪くして破損、そして爆発します。核へ撃つはずのミサイルが暴発したため、地球は滅びずに済んだのです。
4人は不思議に思います。「なぜミサイル発射装置は壊れたのか」。装置が止まった時計は残り00:02、まるでジョーが止めてくれたようだ。でも、ジョーが投げた羽手裏剣が地球の危機を救った事実は誰も知らないのです。本部から出ると、地上は地殻変動で荒れ果てていました。大きな岩の隙間に、ケンがジョーに渡したブーメランが……さよならジョー。
最後に、南部博士が記者会見でこんなことを言います。「ギャラクターは確かに自滅しました。しかし、みなさん考えてください。ギャラクターのように悪魔的な破壊を好む心は、私たちの、あなたたちの心の片隅にも眠っているのではないでしょうか?」。そんなメッセージを視聴者に残し、『科学忍者隊ガッチャマン』はエンドとなります。
一旦は、こうしたヒーローもののアニメーションからは久しく遠ざかっていたのが、10年前に、MXで「科学忍者隊ガッチャマン」が放送されていた事から、その種の作品に対して大々的なカムバックを果たした物です。その中でも、「科学忍者隊ガッチャマン」は、その他のロボットアニメのような、必殺兵器に頼る事が出来ずに、さながら「ナバロンの要塞」よろしく、敵の秘密基地や鉄獣メカの中に侵入して、急所にちんけな爆弾を仕掛けて、それを破壊すると言うパターンがご定番でした。
さて、この記事のメインとなるコンドルのジョーは、第1作目ではその功績を知られる事なく、死んでいったと言う締めくくりとなっていますが、第2作への継続と言う点ではお粗末と言う感が否めませんでした。主題歌における歌詞や絵が、ジョーの存在を前提にしており、よって、始めからジョーは生きている。そして、いつ登場するのかと言う「期待感」を抱かせる形で進展して行ったのです。
一旦死んだ事にするのであれば、その点ではしばらく伏せておくべきではなかったのではないでしょうか。
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