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まずく感じなくて結構な事だ

味覚オンチは得?「回転寿司も板前も味は変わらん」「だいたい美味いか普通かに分類される」

僕はめんどくさい男だ。そこら辺のジャンクもしょっちゅう食う割に、ちょっとした旅行の折にはその土地の名物を食べたいという気分になってしまう。いわゆるグルメ気取りという奴だ。

そのくせ、舌はろくすっぽ機能していない。何せ目を閉じて刺身を口に入れると、サーモンとマグロの区別すら付かないのだから。まあ、人間は味覚と同じぐらい視覚に頼って味を感知しているみたいなので、同じような人は結構多いみたいだけど。気になるなら、今度目を閉じて食事をしてみるといい。案外自分が何を食ってるか分かったもんじゃない。(文:松本ミゾレ)
誰かが「不味い」といったものも、食べれば「いける」と感じる
さて、僕みたいに繊細な味を分別することが苦手な人のことを、馬鹿舌なんて呼ぶことがある。何を食っても違いが分からず、それなりに美味いと感じてしまうというのが馬鹿舌だ。

馬鹿舌とは言葉こそ悪いが、実際に当人たちの立場にしてみると、そんなに悪いことばかりではない。たとえば先日、おーぷん2ちゃんねるに「馬鹿舌ワイ、とてもしあわせ」というスレッドが立っていた。スレ主は他の誰かが不味いと言ったものも、食ってみれば「いけるいける」と感じるという。

そしてみんなが普通だと評するものは「美味い!と感じるのだそうだ。典型的な馬鹿舌であるが、彼はそんな自分の舌に満足をしているようだ。何を食ってもそれなりに美味しく味わえるんだから、まあそりゃそうだろう。

変に舌が肥えてしまうと、常に高級な食材を調理したモノしか口に合わなくなる。そうすると毎月の食費はガンガン上がることになって、僕みたいな貧乏人には、それは苦しい展開だ。
「なんでも評論家気取りで難癖つけるより楽しめたほうがええよな」

ところでこちらのスレッドには、他にも馬鹿舌の持ち主たちが色々と馬鹿舌あるあるを書き込んでいる。中にはちょっと面白い主張もあったので、いくつかそういった声を引用して紹介したいと思う。

「回転寿司も板前寿司も正直味変わらん気がするわ」
「マクドナルドやすき家が不味いって意見多いけど、本当に不味いもんはそもそもチェーンとして成り立たんと思うわ」
「真っ赤っかのウインナーが好き」
「というかだいたい美味いか普通かに分類される」
「なんでも評論家気取りで難癖つけるより楽しめたほうがええよな」

このように、馬鹿舌の持ち主たちにしてみれば、いわゆる「こういうのでいいんだよ」の範疇が、普通の舌の持ち主よりかなり広いことが分かる。

僕も真っ赤なウインナー大好きだ。何というか、見た目でハッピーな気分になれる。包丁で切り込みを入れて加熱するとタコさんになるのも馬鹿らしさに拍車を掛けているし。

そういえば以前、食通を自称する奴とちょっと高めの飯屋に行ったことがある。そこで冒頭で書いた、目を閉じて何を食っているか当てるってのを実践させたんだけど、5回やって的中したのは2回だった。グルメを気取る連中なんて、みんな案外見た目で味を強烈に認識しているだけだったりする。本当の意味での馬鹿舌は、実は彼らなんじゃなかろうか。


「子連れ狼」の拝一刀のように、ただ生きるために食べると言うのも面白くないですな。別段冥府魔道に生きる訳ではありませんからな。さりとて「おりこう舌」(要するに馬鹿舌の反対)も、この記事にあるように決して良い事ではありませんな。俗に評論家とされる人の場合は商売ですから、その方面でしかるべき才能を発揮する必要があるのでしょうが、大抵の人間にとって食は日々の生活の範疇にあって、商売ではないのです。金を払って食べる側なのですから、どんな物でも主観においてうまいと思えれば良いのであって、それを思えば、ここで言う馬鹿舌の人はまずいと言う認識が出にくいのは実に良い事です。

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