兵士をかき集めるロシア 少数民族、失業者、移民、民間軍事会社、そして囚人も【ウクライナ侵略とロシアーロシア兵の実態(下)】高い報酬、国籍付与、犯罪歴抹消などなんでもあり ウクライナでの戦闘により、多くの兵士が“弾丸の餌食”となり、集団墓地に埋葬されている。
前回に続き、どのような人たちがその運命をたどっているのか、グループ毎にみてみよう。
厳しい環境で、脅しにより戦地に送り込まれた人たちも少なくない。しかし、ウクライナでの戦闘を拒む人たちもいる。
(6)少数民族(ブリヤート人、その他)
兵士不足が深刻化する中、極東、北コーカサス、ブリヤート、ハカシア、ヤクーチャなど、経済不振の辺境地域から来た少数民族が、ウクライナに送り込まれている。
他方、ロシア系住民が多い大都市では、徴兵される人は少ない。
死体や捕虜となった“ロシア兵”には、イスラム名を持つ兵士やブリヤート人(チベット仏教徒が多い)が含まれている。
「自由ブリヤート」の代表アレクサンドラ・ガルマジャポヴァによると、既に約500人のブリヤート人契約兵士がウクライナでの戦闘を拒否し、契約を解除して、ブリヤートに戻った。
7月9日にも、約150人がブリヤートに戻った。
彼らは、刑事責任を問われかねない状況下で兵士としての契約解除を申し出、特別な場所に閉じこめられもした。
それでも結局自分の家に戻ることができた。
アレクサンドラ・ガルマジャポヴァは、自身のFacebook(https://www.facebook.com/alexandra.garmazhapova/posts/pfbid0QgBkskHodTu4T8fzfuRtgCvVJPhh4QtnG4Y1q4Q5RR64ZKNMfwmM4Gff9BiD7cR4l)
で、ブリヤート人兵士に次のように呼びかけた。
ブリヤートへ帰還した元兵士の皆さん、あなた方は自分と他人の命を救うという、正しい選択をしました。
プーチンの野望のために戦う必要はありません。
あなた達が命を落としていく一方で、プーチンはたらふく食べ、よく眠り、自分のためにまた黄金の宮殿を建てています。
プーチンは自分をとても愛し、自分の人生を大切にしています。
彼は70歳ですが、少なくとも100歳まで生きるつもりです。
あなた達も自分の人生を大切にしてください。
まだ20~30歳のあなた達は、まだ自分の人生を始めてもいないのですから。
あなたの大切な人は、あなたに生きていてほしいのです。
私たちみんなに力を!
ブリヤード兵士に関する記事(ロシア語、ネットメディア「Insider」、https://theins.ru/news/253048)
(7)失業者
就職斡旋所は失業者にウクライナ出征の機会を提供し、月給30万ルーブル(約71万円)を約束する。
サイト『重要な歴史』(https://storage.googleapis.com/istories/reportages/2022/07/12/v-rossii-nachali-verbovat-bezrabotnikh-dlya-otpravki-na-voinu/index.html)は、タタルスタン(ロシアの地方)のある就職斡旋所でそのような提案を受けた男性の話を引用している。
私以外に8人が部屋にいた。雇用斡旋所の人が話しかけてきて、いろいろな仕事を紹介してくれた。
一人ずつ別室に呼ばれるようになったが、最初は何も気づかなかった。
私は最後から2番目に別室に入った。
年配の男性が事務室に座っていて、私に紙を渡してきた。軍事機密の非開示に関する同意書だった。
私が(私たちの会話を)暴露しないことと、(暴露したら)どんな結果になるかが説明されている書類に署名しなければならなかった。
その結果、どうなるのか、刑事責任はあるのか、といったことを考えるようになった。
「連邦保安局(FSB)が対応し、我々は警告を発するだけだ」とその男は言った。
その男の話によると、カザン(タタルスタンの首都)では大隊が編成されているという。
この大隊は予備隊で、ウクライナとの国境付近のロシア領に駐留し、その警備にあたるとのことだ。
予備隊であること、戦闘行為に参加する可能性は低いことを何度も繰り返した。
しかしその男は、「まあ、時にはウクライナ領に入ることも必要かもしれないがね」とも付け加えた。
彼は私に契約を持ちかけ、月30万ルーブルほど支払うと言った。
私はこの戦争に反対なので、家に帰ると言った。
結局、彼は「私と話す意味は全くない」と言い、紙をしまい、私も署名もしなくて済んだ。
(8)2014年にロシアが占領した地域の男たち
いわゆる「ドネツク人民共和国」は、学生、大学教授を含め、そこに住むすべての男性を道で捕まえ、強制的に戦場に送りこんでいる。
マリウポルの攻撃には、地元のフィルハーモニー管弦楽団の音楽家が投入された。
有名なジャズ・ピアニストのニコライ・ズビャギンツェフも何の準備もないまま戦闘に投入され、戦死した(https://radatv.online/ru/news/4064)。
(9)ロシアに来た移民たち
移民達は、兵役に就くことと引き換えに、ロシア国籍の取得を早めることができる。
しかしロシア国籍を取得したらしたで、全員が徴兵の対象となる。
(10)民間軍事会社ワグネル
ワグネルは2013年の創設から既に8年間活動している。
責任者は、2013年までロシア軍参謀本部情報総局(GRU)に所属し、中佐の地位にあったドミトリー・ウトキン(コールサイン:ワグネル)とみられている。
同社にはオフィスがなく、税務当局にも登録されていない。
ワグネルで仕事をしたい者は、ソーシャルネットワークや短期間公開されるウェブサイト上の携帯電話番号に電話することで、インタビューを受けることができる。
ワグネルから戦地に派遣される者は、4カ月間働く。
給料は手取りで月24万ルーブル(約56万円)、それにボーナスがつく。
ワグネルの傭兵は「消える」―つまりすべてのソーシャルネットワークを削除することが求められる。
ワグネルの損失は、一般的な死亡者兵士数に含まれない。
ウクライナではワグネルは主たる攻撃部隊として活動している。
(11)シリア人傭兵
シリア人傭兵には、月給3,000ドルが約束されている。
(12)囚人たち
囚人でもまず声がかかるのは、既に武器の使い方を知っている連中である。
かつて内務省、内務省特殊部隊(OMON)、連邦保安局(FSB)、交通警察、司法機関などに勤めていた彼らは、「BS」(旧勤務員保安監獄)と呼ばれる特別な監獄に収監されている。
FSBの職員とワグネルの代表がこの特別監獄にやってきて、使えそうな囚人たちに少なくとも4ヶ月の兵役を求め、月給24万ルーブル(約56万円)をオファーする。
更にもし無事にロシアに帰国できたら、犯罪歴を抹消してやる。
これまでのところ、戦闘経験のある囚人のほとんどは、ウクライナへの出征を拒んでいるということだ。
しかし、ロシアには約60万人もの囚人がいる。
囚人を戦場に送ることは、犯罪者をウクライナで「再利用」するという意味で、クレムリンにとってもメリットがあるのだろう。
まあなんですな。そのような手段で新たな兵士を獲得するようでは、早い話が、民衆に対していくさの大義を納得さる事ができないと言う事をお上の方で認めているからこそ、後ろめたく思って、公然と一般の民衆相手に徴兵も志願の公募も行えないという事なのですな。その種の行為が一種の厄介事だと婉曲に暴露してしまっているのです。
そんな有様で兵士の士気が上がるとは思えず、そんな状態で彼らはいくさに勝つ気があるのかと疑問に思ってしまいます。しかもそうした連中だってもっぱら兵士だけで戦えるはずもなく、それらの連中を率いる将校だって必要だと思うのですが、将校も同様な条件で集めるのでしょうか。
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