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他人を邪魔するしかないぎゅうぎゅうな状態にしては駄目だ

「嫉妬」を職場のエネルギーにする方法 負けの原因は「努力の差」と考えさせることが大事

人間関係のあるところに、嫉妬はつきものです。嫉妬とは、愛したり執着したりする対象が別の存在に心を寄せることを怖れ、その存在をねたんだり憎んだりする感情です。職場においては、そこでパワーのある人が関心を持つ人が嫉妬の対象になります。

パワーのある人とは、トップダウン的な風土の専制的な会社では経営者や現場リーダー、上司などになりますし、ボトムアップ的な風土の民主的な会社では一般社員の多くから支持を得ることが嫉妬されることにつながります。

必ず何らかの評価がなされる職場には、嫉妬を促進する契機がたくさんあります。嫉妬の発生は免れないわけですが、そうであれば組織のリーダーは、この感情をうまく使えないものかと思います。さて、どのように扱えば、自分たちの職場を働きやすくする後押しとなるでしょうか。(文:人材研究所代表・曽和利光)
「偽のストーリー」が足の引っ張り合いを生む
社会的には嫉妬は、できるだけしないにこしたことはない、あまりよくない感情と思われているようです。しかし、私はそうは思いません。その感情が悪辣な行動につながってしまっては問題ですが、嫉妬自体は人間のエネルギー源の一つであり、誰かに対して負けたくないとか、その人よりも優位な立場に立ちたいと思うことは、大きな熱量を生み出し、行動力につながっていきます。

昔から採用の際に「挫折経験がある人を採れ」と様々な会社で言われてきましたが、その理由は、(劣等感の意味での)コンプレックスが仕事における大きなエネルギーを生み出すからです。

人から評価されている他人に嫉妬してもらって、あからさまに悔しがってもらって、頑張ってもらう。大いに結構なことではないでしょうか。まずはこういう嫉妬という感情の効能を肯定することから始めることです。

逆に、嫉妬をダメなものとして否定してしまうと、どうなるでしょうか。強迫的に生じてしまう嫉妬を無理に抑え、ないことにするためには、人は自分を騙すための「偽のストーリー」を作り、その状況を合理化しなければなりません。

つまり、嫉妬から生じる怒りなどの感情が、自分が負けているから嫉妬しているのではなく、対象である「彼/彼女に非があるから」というストーリーを作り出し、信じ込むことになります。そして、本来なら良き競争相手として切磋琢磨すべき人を、何らかの理由で非難したり、足を引っ張ったりしてしまいます。
成功を「偶然」に帰属させるとやる気がなくなる

しかし、そんなことをしていて、職場は働きやすい場所になるはずもありません。成果を出して評価されている人を追い落とすようなことをするくらいなら、前向きな嫉妬はやはり認めるべきです。

さて、嫉妬を認めたうえで、さらにそれを前向きなものにするためにはどんな工夫が必要でしょうか。それは、嫉妬の対象となっている人と比べ、嫉妬をしている人がなぜ成果を出せていないのかについて、どのような理由付けをするかが重要なものになります。

社会心理学者のバーナード・ワイナーらの研究によれば、仕事の成功を「能力」に帰属させると有能感を高めることができますが、「仕事の難易度」や「偶然や運」に帰属させるとモチベーションは高まらないそうです。自分が達成感に酔っているときに、上司から「運が良かっただけだね」と言われたらやる気がなくなるのと同じです。

また、仕事の失敗を「努力」に帰属させると、有能感を傷つけず、さらに失敗が再現するのではないかという恐れを排除することができますが、自分でコントロールできない「仕事の難易度」や「偶然」に帰属させると、また失敗するという恐れを減らすことはできず、次の課題に対するモチベーションが高まらなくなります。

つまり、失敗は「努力」に起因すると考えるべきということです。嫉妬、すなわち人との競争に敗れた失敗に対する怒りの感情が生じたとき、対象に自分が負けているのは「努力」の差である、そう考えれば、嫉妬のパワーを素直に努力の方へ向かわせることができるでしょう。それ以外のものに起因すると考えると、あまりよいことはありません。
「乗り越えられる」と思わせるのがリーダーの役目

それでは組織のリーダーは、この嫉妬の感情をどう使うすべきでしょうか。ビジネスや仕事における競争は、至るところに存在します。メンバー間だけでなく部署間、企業間にもライバルはおり、勝ち負けが生じます。まずは自分の負けを認め、それが自分たちに原因があると素直に認めさせることが必要です。

しかし、敗北の原因をメンバーたちが「能力差」だと考えれば、自己の有能感を傷つけて自信を無くしてしまうかもしれません。「仕事の難易度」だとすれば、自分たちだけが負荷の高い仕事をさせられているのだと不公平感を生じさせます。「偶然や運」だとすれば、自分で統制できないものなのでやる気が出ません。

とすれば組織のリーダーは、自然な感情である嫉妬を肯定した上で「その感情は”努力”によって乗り越えることができるかもしれない」とメンバーに思わせることこそが、役目となるのではないでしょうか。


嫉妬の構造にもいろいろ注意する必要がありますな。他人よりも秀でるために、もっぱら自身がより先に突き進むと言う風にのみ誘導できるのであれば良いのですが、全ての事例がそれで済ませられるとは言えません。ライバルがあまりに密集してしまっていて、もっぱら自分が先を行く努力に徹する事が出来ないような環境にあったとしたらどうでしょうか。自分の欲する方向にある進路を遮っている他人を押しのけると言う形でなくしては前進できないと言う事例こそ非常に多いのではないでしょうか。
要するに員数付けの発想がそこには必然的に出てきている訳でなのです。まあ、員数付けの場合は、まだ自分自身がおいしい所を入手しようとできるだけまだましでして、ひどい時はそれすらやらずに、自分が獲得できる見込みがない物で、他人に取られるくらいならばそれを「爆破」してしまえと言う、撤退の折に引き上げる事ができない軍需品の末路のような事がまかり通る事だってあり得るでしょう。
もし、嫉妬を全体にとって有利な方向へ利用しようとするのであれば、他人を邪魔できないようにルールを作り、かつ、「隙間」を十分に用意する必要があるでしょう。他人を邪魔するよりももっぱら自分が前に突き進む事の方が有利だと言う環境があれば、嫉妬も十分建設的な方向に向かって行くと言う物です。

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